第27話

思わず空を見上げると、そこには光の群れが丸く花のように広がっていた。


確かに花火だ。変なところで感心する。


次々と打ち上がる火の花。


サトル君も空を見上げていて、心なしか耳が赤い。

私はサトル君の腕にしがみ付いて花火を見あげていた。

そしてサトル君の腕は私の胸にぴったりとくっついている。


なんか急に恥ずかしくなったけど、そんなそぶりを見せないようにして、そのまま空を見上げていた。


花のように丸いの、ハートの形、雨のようなの、赤、黄色、緑、、、様々な火の塊が降り注ぐ。

このままこの時間が続けばいいのに。そうすればサトル君の腕もずっとしがみついていられる。


そうはいかないことはわかってる。

私の胸にチクリと針が差したような痛みが走った。


花火が終わって、しばらく歩きながらメグミさん達を探す。


メグミさん、上機嫌なような怒ったような。


後で聞いたら、

「みんなが見てる前でキスされたぁ、恥ずかしかったぁ」

とプリプリしながら教えてくれた。でも、なんかうれしそうだね。

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