第27話
思わず空を見上げると、そこには光の群れが丸く花のように広がっていた。
確かに花火だ。変なところで感心する。
次々と打ち上がる火の花。
サトル君も空を見上げていて、心なしか耳が赤い。
私はサトル君の腕にしがみ付いて花火を見あげていた。
そしてサトル君の腕は私の胸にぴったりとくっついている。
なんか急に恥ずかしくなったけど、そんなそぶりを見せないようにして、そのまま空を見上げていた。
花のように丸いの、ハートの形、雨のようなの、赤、黄色、緑、、、様々な火の塊が降り注ぐ。
このままこの時間が続けばいいのに。そうすればサトル君の腕もずっとしがみついていられる。
そうはいかないことはわかってる。
私の胸にチクリと針が差したような痛みが走った。
花火が終わって、しばらく歩きながらメグミさん達を探す。
メグミさん、上機嫌なような怒ったような。
後で聞いたら、
「みんなが見てる前でキスされたぁ、恥ずかしかったぁ」
とプリプリしながら教えてくれた。でも、なんかうれしそうだね。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます