第6話

 モリゾウがテンチョーと合流を果たしのは集合と言われて2時間半後の事だった。


「うおー、何スカここ?

 ロッジみたいなのいっぱい」

「廃村、だと思うよ。

 僕が着いた頃にはテンチョーが拠点にしてたんだよ」

「すげー、しかもここも罠だらけだし」


 何だこの悪夢とモリゾウは笑いながらトラップだらけの廃村を進む。一つの家に入ると矢張りギリードゥが1匹居た。テンチョーである。

 トドマンはM1909片手に外で警戒に立つ。


「テンチョー来ましたよー

 めっちゃ大変出した」

「おせーよ。遅刻だぞ?」


 ギリードゥは矢張りブーニーハットを被っている。


「何そのブロディ?

 はい、あんたの分」


 テンチョーはモリゾウのアホ被りしているブロディヘルメットに苦笑すると、ブーニーハットを差し出す。


「UTSのスカファニーキルカムズはブーニーハット統制デスカ?」

「そうじゃ無いけど、それも良いわね。

 アンタ、小銃何処まで行った?」

「あ、そうだ」


 モリゾウはガーランドのステータスを見る。ガーランドのレベルもMAXだ。そして、その先にはM14とM1カービンが解除された。


「M14とM1カービンです」

「うん。

 因みにM14進めるとAR-10、んでM16よ。

 私、M16A4まで行ったわ」


 テンチョーがホレとM16A4を見せる。


「因みにAR-10進めれば多分SR-25とかM110になるわ。

 モリゾウはM4ねらい?」

「いや、カラシニコフっす。AKの為の布石っすよ。当初の目的はこれで一先ず達成したのでこの後、ドイツのStG出す為にMP40とKar98k探します」

「Karならあるわよ。

 てかこれ、店売りしてたけど」


 テンチョーの言葉にモリゾウははぁ?と首を傾げた。


「マジっすか?俺見てないっす」

「あら、街の武器屋で売ってる武器違うのかしら?

 あ、そうそう。機関銃あった?」

「え?

 ホチキスのM1909とマドセン売ってましたよ。トドさんにあげましたけど」

「マジ?

 私の行った上級者の街は機関銃売ってなくて、トドの中堅の街はM1917だったわ。そこからM1919とBARになったって聞いたわ」


 テンチョーが窓際に置かれたM1917を指差した。照準を覗けば獣道の一本と其処に通じるトラップハウス群を射界に収まっている。

 また、其処から配置されている小銃手用の簡易塹壕や障害物が機関銃の射界の死角を補う様に置いてあった。更によく見ればあちこちに武器が置いてあり完璧なキルゾーンが構成されていた。


「この廃村、ウクライナ軍とかの防御拠点っすかぁ?

 あ、そうだ!

 拠点といえば入口の方のPG-7弾頭で作った罠何すか!」


 モリゾウがそうだとテンチョーを振り返る。

 テンチョーはニンマリと笑うと、スクショデータだけのメールを送ってきた。見るとそれは弾薬一覧で、それの細部はモリゾウの見た弾薬と一部違った。

 具体的に言うと爆発する系の弾薬がグレネード弾が無く、ロケット弾やミサイル等に変わっていたのだ。


「ホゲェー!

 何スカこれ!はぁ?ジャベリン?ジャベリン撃てるよこのファンタジーゲーム!!あ、スティンガーもあるわ!

 テンチョー!スティンガーでドラゴン狩り行きますわよー!!」


 モリゾウのテンションは最高潮だった。


「アンタ、言葉変よ。お嬢様になってるわよ。

 あと、弾はあっても発射機が無いわ。それ見つけ出すのが先よ」

「そうでしたわ。

 忘れてましたわ。チクショウ!アレもやりたいしコレもやりたい!!」


 ムキャーっとモリゾウが地団駄を踏む。そんなモリゾウを見たテンチョーは笑う。


「はいはい。話戻すよ。

 アンタにM14以降の銃とかSMGを渡すわ。Karも。

 SMGはMP18育てて其処からMP28と不明のツリーが幾つか出たわ。

 で、M1カービン以降育てつつMP40目指したら良い。トンプソンあれば多分、一〇〇短作れるのよねー」


 モリゾウはテンチョーから銃達と弾、弾倉を受け取るとモリゾウも持っている銃と弾を渡した。


「M1カービン使うの良いっすけど、弾とかねーす」

「あーそうね。

 私等も弾薬もう銃に入ってるので終わりだったのよ。

 一旦街まで帰りましょ」

「うーっす。

 つーか、もうてっぺん回ってるんで街でログアウトしますわ」

「そうね。

 私とトドも疲れたわ」


 それから外で警戒をしていたトドマンも呼び、1番近い街を探す。


「凄い小さいけど、此処に拠点の街あるのよ。

 あ、拳銃、モーゼルとか見た?」

「中堅と初心の地域には売ってませんでしたよ。

 上級者の地域は無いんですか?」

「無いのよーそれが。

 Kar売ってたからあるかなーって思ったけど」

「MP18あればモーゼル売っても良いんっすけどね」

「たしかにね。

 そう言えばC96ってなんて呼んでる?」

「モーゼルっすねーレッド9とかも」

「あー私はブルームハンドルかマウザー拳銃とかね」


 3人は其処からミリオタ雑談やゲームシステムについて考察や感想を交えながら歩みを進めた。

 後日、森に放置された罠達は何もテンチョーやトドマン、モリゾウに会いに来た上級者プレイヤー達が悉く引っ掛かり知らぬ間にテンチョーやトドマンの経験値と金になっていたのはまた別の話。

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