雅(みやび)美し
ありもと優
第1話 華乱ベッド
今宵のベッドに眠るひと
運命に狂ふ
息を潜めて
身体を止めて
心の静寂に身を落とす
揺れる切なさに胸を焦がすなら
乞食にもなれるであろう
寂しさの衣の袖より
夜になびく髪がひかる
眠るまで枕を横に沈めて
あなたの手から指から
私の身体中の糸を引きちぎって
もしも
つよく熱情に喘いだなら
唇を静かにふさいで
だけど魂は預けない
それが宿命
華は散り散り枯れる
今宵は夢の場所
新しい客人
敷いた布が熱くなるまで
繰り返される
私の居場所
ここには闇夜だけ
朝は消える
鼻先に残るグリーンの香り
明日の願いは宙に浮かぶ
*あなたの意中の人になれたかどうかは、定かではない。ただの一夜の交わりに全精魂を込めた女人。
次の日には、違う女性が、あなたに抱かれる。
朝がないここに、悲しみは響かない。
香りの記憶に、かすかな願いを込めて宙を見つめる。
雅(みやび)美し ありもと優 @sekai279
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