部活に入ろうと思うんだ。
入学から一週間程が経った。ソフィアは1日に一回は誘拐されそうになったりとかで色々大変である。
師匠からはあの後、謝られた。どうやら意地でもソフィアのことを助けに行かせたかったらしく、高圧的な態度をとっていたらしい。
そんな僕には今どうしてもしたいことがあった。
夕食の食卓で僕はそのことについて話す。
「部活が……したいです……」
「私はいいと思うわ。何部入るの?」
ソフィアはこの一週間でうちに慣れたらしく、気がついたら勝手にキッチンを使い、料理を振る舞ってくれるようになっていた。
本人曰く、護衛のお礼だとか……
「空手部。」
「格闘技とか得意そうだものね。」
「それもあるけどさ、内田っていう僕の友達が入ってるし、それにもっと強くならないといけないし。」
「私はいいと思うわ。」
「それで問題が1つあってさ、ソフィアの護衛どうしよっかな問題なんだけど……」
ソフィアが僕から目を逸らす。
「それは……どうしよ……」
「せめて一緒に帰るくらいせんと……」
この一週間でソフィアは一人での下校中に7回は攫われそうになっている。
「それじゃあこうしない?私もどっか適当な部活入ってさ、帰りだけタイミング合わせて帰ればいいと思うの。私誰かといるか、一目の多い場所だったら誘拐されないから。駅前とかで待ってるわね。」
ついに自分の体質についての分析が終わったのか。
「それでいいか。やっぱソフィアは頭いいね。」
「褒めてもなにも……あ、おかわりいるかしら?」
「いる。」
ソフィアは僕の茶碗を取って台所へと行った。
ソフィアはどこの部活に入るんだろう。
僕が軽音か、卓球かテニスかなど考えているとスマホに電話がかかってきた。ソフィアに一言断ってから電話に出る。
「もしもし?源?」
師匠か。また面倒臭い事を頼まれるのだろうか。とりあえず皮肉でも言っておこう。
「ああ、師匠ですか。もう頼み事は聞きませんよ。自分でどうにかしてくださいね。というか、大人なんですから高校生に頼らず自分でどうにかしてください。あんまり僕を頼ってると奥さんに愛想尽かされますよ。」
「いや、まあこの間はすまない。どうしてもあれだけはお前が行かないとダメだと思って。」
「別にいいですよ。まああの時はちょっとイラッと来ましたけど。それで要件は?僕今女の子とディナー中なんで早くしてください。」
「おっ成長した……って相手はあの子か。まあ一つ話があってな。どうしてあの子が狙われてるかについてなんだが……」
なるほど。それは聞きたい。でも、一番聞きたいのはソフィアだろう。彼女だって理由もわからないのに追い回される事に辟易していそうだし。
「本人に聞かせてもいいですか?ソフィアも知ってないとキツいと思うんですけど。」
「これは本人に聞かせたらまずいと思う『ソフィア』が出てくるかもしれないからね。」
「どういう事ですか?」
「あの子は……」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます