第64話
「なんだかんだ言ってファッションショー楽しかったね!」
「愛菜、俺に見惚れてただろ?」
「そういう悠斗も見惚れてたくせに!」
なんて話している2人を余所に、何のパーティー?ってくらい豪華な会場と着飾っている生徒に目を向ける。
私たちも紗奈にもらった衣装で着飾っているけど、みんな鮮やかなドレスを身にまとい、肌を露出している人も目立つ。
「さすがだよな。後夜祭なんて名ばかりでみんなパートナー探してるよ。」
と夏樹の声に
「私たちには関係ないけどね。婚約者とか候補者いるでしょ?」
といつの間にか現れた紗奈。
「え、夏樹と紗奈婚約者いたっけ?」
という愛菜に
「俺は庶民だしないけど、そんなの興味ないし。」
「うちの家系は恋愛結婚しなさいっていう感じだから、一応候補者いるけど自由な感じ!
ふわりはいるもんね?」
突然話をふられて
「あ、うん。」
思わず素直に頷いた。
確か、18歳の誕生日に正式に決定するって。
前に愛菜たちが教えてくれた3人の候補の中から凛の意思とは関係なく利害関係で選ばれるんだと思う。
それは全部"不破凛"になる時に聞いた話だから、本当か嘘か実際のところはわからないけど。
彼女は早生まれで18歳になるのは3月30日。
きっとその頃には卒業を迎えているから私は不破凛ではなくなっているはず。
その時がきたら
みんなと会えなくなるのは少し寂しい
一瞬でもそうしまった自分に驚いた。
一緒に過ごす時間が長くなると、情がわいてしまうから気をつけないと。
心の中で自分に喝を入れた。
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