第61話
「ねぇ、夏樹。このまま終わってもいいと思わない?」
この盛り上がりなら大成功で終わるに違いない。
「奇遇だな。俺もそう思う。」
と2人でこっそりステージから遠ざかろうとすると
「そこの2人、出番はこれからなんだからね!その衣装私の力作なんだから出ないなんてあるわけないよね??」
とどこから私たちを見張っているのか紗奈の声がした。
私と夏樹は顔を見合わせ
「そんなわけないよね。」
と戻った。
あのメンバーの中で一番怒らせたらいけないのは紗奈に違いない。
私はそう悟った。
いつの間にか愛菜達がステージからこちらに向かって歩いてきていていよいよ私たちの出番になる。
「夏樹緊張しないの?」
やっぱりいつもと変わらない夏樹に尋ねれば
「これでも緊張してるよ。
でも、やるしかないし、それなら俺らが楽しむしかなくない?」
なんて言うから自然と肩の力が抜けた。
和テイストの音楽が終わり、今度はオルゴール調の音楽が始まり夏樹が私の腰に手を当てる。
愛菜たちがせっかく盛り上げてくれたんだから、やるしかない。
そう思って、歩き始めた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます