「もうそろそろスペシャルゲストが来る頃ね。」

と今度は時計を見た紗奈。

その時、外がざわつきはじめて

「お待ちしてました！！

この度は引き受けていただきありがとうございます。」

入ってきたのは霧島先輩。

いつになく丁寧な紗奈。

先輩からは死角になっているようでこちらには気がついてないけれど、さっきのことがあるからなんだか気まずい。

「霧島先輩いるなら、俺居なくてよくない？

さっきも王子様してたしさ。」

なんて言って立ち去ろうとする夏樹の手を無意識に掴んでいた。

「どうかした？」

「ごめん、なんでもない…。

…でも、夏樹じゃないと私も出ないからね。」

と言うと

「ふわり、その言い方なんかずるい。

仕方ないから一緒に歩くよ

オヒメサマ。」

と私の手をとる夏樹。

「お願いします。」

と答えた時視線を感じて、笑顔が引きつりそうになった。

振り返らなくたってわかる。

霧島先輩のものに違いない。

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