第55話
「まぁまぁ、紗奈もこう言ってるしさ、歩くだけだし協力しようぜ?」
と乗り気な悠斗。
「悠斗ありがとう!!
みんなが着てる衣装はお礼と言ってはなんだけどそのままプレゼントするしね?」
紗奈の必死な説得に
「そこまでいうならね。」
「貸しひとつな。」
と折れた愛菜と夏樹。
「ふわりもほら、舞台に比べるとセリフもなくて歩くだけなのよ?お願い!!」
私も必死な説得に負け
「わかったわ。今回だけね。」
と承諾した。
「なんとなく気付いてるかも知れないけど、愛菜と悠斗がペアでテーマはかぐや姫。
ふわりと夏樹がペアでテーマはシンデレラ。
2組とも腕輪組んで歩いてきてね。愛菜達はステージの先端に着いたら悠斗が小道具の傘を開いて相合傘をして。
ふわりたちは先端についたら夏樹が王子様のようにふわりの手をとって跪いてね?
ラスト2組で出てもらうから、袖でまた指示を出すわ。
照明は田中くんがしてくれるって言ってたから夏樹はショーに専念してね!」
と段取りをスラスラと話す紗奈に、絶対に最初から私たち4人をメインに出すこと前提で計画していたに違いないと確信した。
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