第57話

そんな私に





「ふわり、やっぱなんかあっただろ?」



と心配する夏樹。







そんな夏樹の顔を見たら




不破凛たるもの、こんなことに動揺してたらだめだ。





そう自分に喝を入れて




「少し疲れただけよ。大丈夫。」





今度はきちんと笑えた。







先輩は私にとって敵なのか味方なのか


そんなの味方にすればいいだけだ。






そう思えば心が少し軽くなって




こっちを見ているであろう先輩に振り返り




「先輩も出演されるんですね。

よろしくお願いします。」



と一礼した。








すると先輩は




「不破さんも忙しいね。そのヘアメイクも似合ってるよ。」


と微笑んだ。




流石俳優、疑いの眼差しなんて微塵も感じさせない。







もうすぐショーが始まる。




こうなったら完璧にモデルを演じきってみせる。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る