第41話

なんとも不思議な空気の中




「はい、では皆さん着替えたようなので今日はこのまま練習しますよ。

昨日の反省を活かしてください。」




と中村先輩が口を開きそれぞれスタンバイする。




今日は霧島先輩はいないみたいだ。







「スタート」





通し稽古が始まった。





私のドレスは割と動きやすいけど、河島さんのドレスはボリュームがあるため少し動きにくそうだ。








終盤の人魚姫が王子の命を狙うシーンでわたしは息をのんだ。







先程まで代役だった筈なのに




眠っていたのは王子様の衣装を身に纏った霧島先輩だった。






こんなに王子様が似合う人がいるんだ、








思わず見とれてしまい、急いで演技に集中した。









意外にも、通し終わったあと





「不破さん!王子にナイフを向けるシーン、王子を見つめて少し間を置いてたのよかったよ!」





褒められたから、見とれてしまっただけなんて口が裂けても言えない。

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