いつもの教室の扉を開けると

いつもとは違う景色が広がっていた。

「はい！これ不破さんのね！」

と佐田先輩から渡された鮮やかなそれ。

教室一面に様々な衣装が広げられ、私の手には先程渡されたパステルブルーのマーメイドドレス。

安物でないことはすぐに分かった。

この予算はどこからくるのか、なんて考えていたら

「ふわり〜！！」

いつもはいないはずの紗奈がやってきて

「これは、今回の衣装の中でも1番気合を入れたの！

私がデザインしたふわりのための衣装なの！」

なんて言った。

「この衣装紗奈がデザインしたの！？

本当に素敵すぎてもったいないわ。」

所々にスパンコールが散りばめられて動くと煌めく。

それがまた人魚姫を連想させる素敵なドレス。

「もったいないなんてそんなことない！

ふわり以外じゃ輝けないドレスなの。」

と珍しく真面目なことを言う紗奈は、デザイナーの顔をしていて眩しかった。

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