第34話

それからほぼ毎日のように放課後の練習は続いた。

私は家でも練習をした。



最初こそ台詞が少なくて喜んだものの、喋れない人魚姫はただでさえ台詞が少ないから、動作で伝えなければいけない。



テレビやパソコンがあれば、ドラマなどをみて演技の参考もできるんだけど生憎、私にはそれらの機器は許されていないから部屋にはない。

それはきっと、私に外な情報を必要以上に与えないため。






今まで、なくても不自由したことはなかったけど

こんな形で必要性を感じるなんて思わなかった。









だから、ひたすら何度も読むことしかできなくて、軽くスランプに陥りそうな時だった。









ある日の放課後






「みんなごめんね。ずっと練習に来れなくて。」







立て続けに仕事で休んでいた霧島先輩が初めて部活にやってきた。

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