第33話

読み合わせていくと


王子さまと結ばれる役をするのは、わたしの隣の彼女ということがわかった。



先程は可愛い声が印象的だったのに、演じるとなるといかにも上流階級という雰囲気を発声だけで醸し出していた。







1度通し終わると







「不破さん!初めてにしてはとてもよいです。」



と中村先輩のお褒めの言葉をいただいた。






だけど、他の人に比べて

"ふわり感"が抜けきらない自分の実力を痛感していた。




そんな私に気づいたのか






「回数を重ねれば大丈夫ですよ。

不破さんは、もっと感情を前にも出していいと思います。」



とアドバイスをくれた佐田先輩。





「ありがとうございます。」






もともと感情が乏しい私には難しいけれど、やるからにはがんばろうと気持ちを引き締めた。

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