第23話

「学園祭の準備?

生徒会にも部活にも入ってないのに何があるのか。」




私が言い訳をしているとでも思っているのだろう。






その時ふと脳裏に浮かんだ今日の出来事。






「演劇部の手伝いをさせていただくことになっています。

問題はないですよね?」






と言えば






「不破家の名を穢すようなことをしなければいい。」





といつもの決まり文句を言った父親。








「わかりました。それでは失礼します。」





と再び一礼して部屋を後にした。








リビングにいるはずの母親にバレないように早足で部屋へ戻った。







部屋に戻ると


「お嬢様どうぞ。」





とカモミールを淹れてくれた石倉さん。







「ありがとうございます。」





と一口飲むと一気に緊張から解放された。










父親の言いなりになりたくなくて、ついつい言ってしまったこと。





正直全然気が乗らないけど、不破家の駒として遣われるよりはマシだ。






やるからには完璧にこなしてみせる。



そう心の中で誓った。

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