第22話
何度通っても慣れない不破家の廊下。
こんな時間に父親が家にいるのはとても珍しい。
大きく息を吸ってドアをノックする。
「入りなさい。」
「失礼致します。」
一礼して足を踏み入れた。
「学校は今のところは問題なくやってるか。」
「はい。」
「放課後の時間を以て余すようなら、うちの仕事を手伝うか。」
こんなまわりくどい言い方をしなくてはっきりと言えばいいのに。
と思い
「どういうことですか。」
と敢えて言った。
「バイトをするくらいなら、そんなに働きたいならうちの仕事をすればいい。」
どこから聞きつけたのかそんなことを言い出した。
「不破家の人間であるお前が、バイトするとは言語道断だ。お前には金に不自由させてる覚えはないしな。」
と鼻で笑った父親。
お金に不自由していなくても、
この家にいる限り私の自由はない。
父親の言いなりになりたくはないという思いから
「なんのことでしょうか?
もうすぐ学園祭の準備で忙しくなるので放課後も時間がありません。」
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