「紗奈、ありがとね。

先輩にあんな口を聞いて大丈夫なの？」

「大丈夫よ。学校では先輩って言っても、バイオリン教室では私の方が先輩だから。」

紗奈の口からバイオリンなんて言葉が出てくるのは意外だった。

すると

「えーー。でも俺はふわりの人魚姫みてみたいけどな。それなら王子様役立候補するし。」

といつからいたのか悠人が現れた。

「確かに凛の人魚姫とか美しいに決まってるわ。

でも、凛の意思を尊重しなきゃね。」

と愛菜までやってきた。

私の意思＿

あまり目立ちたくないのが正直なところ。

そんなことを考えていたら

「もうすぐ、予鈴が鳴るぞ。」

我関せず、という感じの夏樹の声で急いで教室へ向かった。

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