第14話

「おはようございます。」


基本的に、この家にいる間はこの地下室から出ることは殆どない。




だから一昨日の夜、忠告しにきた父親に会ったのが最後、石倉さん以外とは会っていない。






朝はあまり食事が喉を通らないから、基本的にサラダを食べる。




冷蔵庫から野菜を取り出していると、




「サラダなら私が作りますよ。」






と言う石倉さんに





「サラダなんて作るって程でもないし、石倉さんは私を見張ってくれればいいです。」



メイドなんて名ばかりで監視役なんだから__





そう言いかけたけど、刺のある言い方をしてしまったと思って石倉さんを見ると





どこか悲しそうな表情をしていた。











そして






「お嬢様は、逃げ出したいと思わないのですか?」





そんな言葉を投げかけた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る