第28話

その手にはコーヒーとリンゴタルトが乗ったお盆。





「飲めるよ。」







「今日のお礼。こんなんで悪いけど。」






「えっ、あれ冗談だったのに。

それに満足のいくようなモデルじゃなかったのに。」





お礼をもらうなんて申し訳ない。








だけど




「また描かせてくれるんでしょ?」




といたずらに笑って







「このリンゴタルトはフミトさんの自信作。ちなみにコーヒーは俺が淹れた自信作。だからさぁちゃんに食べて欲しいな。」




なんて言う。








「ありがとう。いただきます。」


そんなハルに自然と私も笑みがこぼれた。

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