第21話
「自分でもおかしいと思う。」
いつもなら断ってた。
ただの気まぐれ。
「だけど、あなたは極悪人には見えなかったから。」
「そっかありがとう。」
と微笑み
「ハルでいいよ。
みんなからはそう呼ばれてる。」
「ハル。いい響きだね。」
「そう?」
そしてまた沈黙する。
だけど居心地のいい沈黙。
話してる間もハルはひたすら手を動かし、
私はできるだけじっとした。
「よし、できた!」
そう言って鉛筆を置く
「えっ、もう?」
この短時間で描いてしまうなんて。
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