第22話
だけどハルは少し難しい顔をしていて
「どうしたの?」
私は完成した絵を覗き込んだ。
「えっ、私ってこんな感じなんだ。」
そこにはツンとした表情の私がいた。
クールぶってる自覚はあったけど
これじゃあ人も寄ってこないよね。
昔はよく笑ってたと思うんだけどな。
いつの間にかこんな仮面を被ってたみたい。
ーハルもハルで「もっと笑って」って言ってくれればよかったのになー
そう思っていると
「あの時、笑顔が本当にステキだったんだ。
思わず声をかけてしまうくらいに。
俺が描きたいのは作り笑いでもなくて本当の笑顔なんだ。
たんぽぽにはそれができて、俺にはできなかった。俺の実力不足ってことかな?」
私の心を見透かしているかのようにハルは言った。
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