第2話 イヴァルス大陸への旅路

「これが本物なら…本当に竜と会えるの?」リーヴァは息を呑んで老魔術師に問う。


「そうさ。だが、その代償は大きい。多くの者が竜を見つける前に命を落とすか、力に溺れて破滅するのだ。」

老魔術師は意味深に微笑むが、その目はどこか真剣だった。


しかし、リーヴァの決意は固かった。彼女はこの本を手に、イヴァルスの地への旅を決意する。誰にも告げず、準備を整えたその晩、彼女は村を後にした。



白銀の大陸、イヴァルスへ向かう旅は苛烈だった。雪に覆われた荒野を進むたび、冷気がリーヴァの体力を削っていく。だが、彼女の胸の内には竜との契約に対する強い信念があった。


途中、リーヴァは道中で出会った旅人や怪物との戦いを乗り越えながら、北の大地へと進む。特に彼女の旅の途中で出会ったのは、若い傭兵の男、カインだった。彼は最初はリーヴァを軽く見ていたが、彼女の勇気と技量を目の当たりにし、次第に彼女に敬意を抱くようになる。


「お前、本当に竜を探しに行くつもりなのか?」カインは一度、キャンプの焚火の前でリーヴァに尋ねた。


「もちろんよ。誰かがやらないと、伝説は伝説のまま終わるだけだから。」リーヴァは揺るがぬ決意を込めて答える。


カインは半ば呆れたように笑ったが、結局彼も一緒にイヴァルスまで同行することを決めた。

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