「白銀の大陸と竜の契約者」
@nasujagaimo123
第1話 運命の出会い
冷たい風が吹き荒れる冬の夜、リーヴァは村の小さな酒場の片隅で、年老いた語り部が語る伝説に耳を傾けていた。
「イヴァルスの地には、氷に封じられた竜がいる。そして、その竜と契約を結んだ者は無限の力を手に入れるという…」
彼の言葉は一部の者に嘲笑されていたが、リーヴァは違った。彼女はこの伝説に子供の頃から強く惹かれていた。いつか自分の目でその竜を見つけ、真実を確かめたいという強い願いがあった。
リーヴァは母を病で失い、父もまた冒険の途中で消息を絶った。村で孤児として育った彼女は、普通の生活に安住することなく、いつも外の世界へ飛び出したいと夢見ていた。冒険者としての腕前も磨き、剣術や魔法にもある程度の心得があった。しかし、彼女の心の奥には常に「自分だけの特別な冒険」を求める強い野望が燃えていたのだ。
ある日、リーヴァは村外れの市場で、奇妙な雰囲気を持つ露店を見つける。店の主はぼろぼろのローブをまとった老魔術師だった。彼の前には古びた書物が並べられていた。リーヴァがふと手に取ったその一冊は、銀色に輝く龍の紋章が表紙に描かれた重厚な本だった。
「それは『竜の契約書』だ…」
魔術師が不気味に微笑んで言う。
「竜の契約書?」リーヴァは目を輝かせて本を開いた。そこには古代文字で、竜との契約を交わす儀式について書かれていた。契約は、ただ力を得るだけではない。代償として命の一部を竜に差し出すという危険なものだった。
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