この度は自主企画への参加及び作品の書き下ろしありがとうございます。お忙しい中で時間を割いて作品を書いてくださり、とても嬉しく思います。
作品拝読しました。
好きな人の好きなものを、同じように好きになりたい。そんな気持ちをもとに、実際に行動を起こして相手に寄り添おうとする健気さが微笑ましいです。
それに対する相手の気ままでにべもない振る舞いは、主人公だけでなく読者にも同様に戸惑いを与えるもので、短い作品の中でも大きく気持ちを揺り動かされました。
星はいつだって美しく輝いていますが、それは誰とどこで見るかなど、条件にもよって大きくその印象を変えます。
主人公は星そのものが特に好きでなくても、好きな人と北海道で見る星は確かに一段と綺麗に見えていました。しかし、その感動の共有を相手とはできなかった。そのことを「進路を変えずに済んだ」と前向きに捉えようとする心情の描写には、彼女の静かな切なさと失望が垣間見えて胸に迫るものがありました。
二人の関係性について様々な想像ができますが、恐らく主人公の片想いなのかなと思いました。好きな人の何気ない一言を、勝手に深く考えて、気持ちや行動が先走ってしまう……個人的にとても好きなタイプのキャラクターです。
二人の絶妙な距離感を描いた素敵な作品でした。ありがとうございました。