第2章 お姉ちゃんは学ランヤンキー⁉
悩める若者を探すおじさんが出会ったのは、下校中の小学生だった。赤いランドセルを背負ったその女の子は、カメラをなくしてしまったのだという。
土手の草むらをかき分けて、おじさんはカメラを探し出した。喜ぶ彼女の頭を撫でていると、何者かが猛スピードでこちらに近づいて来た。
見ると、その人物の手には金属バットが握られている。着ているのは学ランだったため、遠目に見たおじさんは男子生徒だと錯覚した。が、そうではなかった。
聞こえてきた「テメー!」という怒鳴り声は、確かに少女のものだった。距離が縮まると顔が分かる。金髪のポニーテールが印象的な10代の女の子だった。
少女は怒り狂ったままおじさんに飛び蹴りを食らわせた。勢いよく吹っ飛ぶおじさん。何が何だか分からなかったが、少女は小学生の女の子――
「こいつ、オレの妹」
二人は姉妹だった。少女はおじさんのことを、寧を襲う変質者だと勘違いして飛び込んだのだった。
寧の説明で誤解を引っ込めた少女――
不良のような出で立ちを見た時はビビったおじさんだったが、妹想いで礼儀正しい面を見て握手を交わすのだった。
そこに偶然通りかかった大食い少女――青木シノが現れる。おじさんはリカを紹介したが、シノは彼女を見ておじさんに恐るおそる
「あの人、
リカは不良グループの元締めだと噂されていたのだ。
いくつか怪しい点はあったものの、どうやら噂はデマらしいと二人は結論づけた。『番長から剥ぎ取った学ラン』は、クラスの班長からテストで勝ち取った学ラン。『怒りによって目覚めた戦闘民族の金髪』は、単なる染めた金髪。『釘バット』はただの金属バットで、寧が少年野球で使うものを届けに来ただけだった。
妹を守るためにあえて不良の格好をしているらしいと知って、おじさん達は納得した。そのおじさんのスーツの
リカに聞かれぬよう注意しながら、寧はおじさんに伝えた。
寧の
寧のプランに従って、三人はリカを
さっきまでのヤンキースタイルとは打って変わって、リカは可憐な女子高生へと変貌を遂げた。夢中でカメラのシャッターを切る寧。リカは顔を真っ赤にして恥ずかしがったが、彼女の受難はまだ終わらなかった。
ある衣装を、シノはたまたま演劇部の友達から預かっていたのだ。それはワンピースタイプのコスプレ園児服。寧とシノの二人は嬉々として再びリカを着せ替えた。
幼稚園児となったリカの
これでリカは『かわいい』を満喫できたはずだった。が、どうも様子がおかしい。おじさんから褒められて赤面したリカは顔を隠していたが、その鼻からは鼻血か垂れていた。頭に血が上ったせいだった。
それを見てサーッと青くなる寧。切羽詰まった様子で、おじさんに早く逃げるよう指示した。寧
ターゲットとなったおじさん。迫るリカの拳。パンチは鼻っ面にクリーンヒットし、リカの狙い通りにおじさんも鼻血を出す。自分の鼻血はおじさんの返り血だと主張するリカ。その無茶苦茶な言い分に反論することも許されず、おじさんは静かに気絶するのであった。
目が覚めると、リカは学ランに着替えていた。おじさんとシノはすっかり
シノはシノで、今更ながらリカが『
残されたおじさんに、リカは再び謝罪する。いいパンチをお見舞いしてしまったことを心から
おじさんは自分こそ好きでもない格好を強要して悪かったと謝ったが、それではリカの気が済まない。あくまで自分のためにはたらきかけてくれたおじさんに、何か恩返しがしたいと考えた。
寧にあげる予定だったお菓子を、リカはおじさんに食べてほしいと伝える。あいにく今日は持ち合わせていなかったが、いつか必ず食べてほしいと、頬を赤くしてそっと伝えた。
空気を読まないおじさんはそのお誘いを一度断ってしまうが、リカの横顔を見て考えを改める。必ず食べに行くと約束した。
そのおじさんのすぐ脇に、寧のバットが立てかけてあるのにリカは気づいた。
『第2章 お姉ちゃんは学ランヤンキー⁉』 -完ー
♢♢♢♢♢
オタク寧の小ネタ、ダイジェストではカットしました。こんな感じで、ストーリーのみをまとめていこうかなと思います。
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2024年10月25日 18:33 毎日 18:33
【まだ間に合う】3分でわかる! 忙しい人のための「反面おじさん」ダイジェスト版 十文字ナナメ @jumonji_naname
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