第七話 なななんとびっくりなのです

学園の入学式に遅刻して無能アピールをしようと計画していたその日、俺はわざとゆっくりと、だが完全には遅れない程度にゴーレム馬車を走らせていた。時間にルーズなのは、やはり人として問題あると思われるが、やり過ぎるとすごいやつと勘違いされかねないので塩梅が難しい。

しかし、街道の途中で異様なざわめきと、何かが激しくぶつかり合う音が聞こえてきた。

視線を向けると、一台の馬車が数人の強盗に囲まれているのが見えた。豪華な馬車は一目で貴族のものであることがわかる。その証拠に、側面には立派な紋章が描かれていた。とはいえ、俺にはその紋章がどの家のもので、爵位が何かまでは見当がつかない。

(こんな場所でこんなことに遭遇するなんて、ついてないな……)

心の中でため息をつきながらも、見て見ぬふりをすることはできなかった。

特に、このあたりは通常護衛がついているはずなのに、この馬車はなぜか護衛が少ないか、そもそもいないように見える。

急な移動だったのか、それとも意図的に目立たないようにしていたのだろうか。

その謎は気になったが、今は目の前の事態に集中するしかなかった。

馬車を止め、腰にかけていた武器を手に取ると、強盗たちに向かって駆け出した。

俺の手にしたのは、筮竹とか竹簡のように円筒形に束ねられているが、いわゆる中国の多節棍と呼ばれるものの一種と言え、節ごとに魔力で連結された特殊な武器だ。

実父が使っていたと言う武具の一つとして保管されていたのを見付け、俺も使う事にした。ちょっと色物っぽい武器で戦うと、それだけで無能っぽさ醸し焦るだろう言う計算は勿論ある。

ただ、アニスに見せたところ、自分の流派にはその武器の技術もある。一度師匠に習いに行こう、と言われてしまた。

さてその武器だが、見た目は太めの南京玉すだれを思わせるが、一本一本がそれなりの質量を持つため、当たれば相手に相当な衝撃を与える。

「おい、何だあいつ!」

強盗の一人が驚きと警戒の声を上げた。続く動きは一瞬だった。多節棍を軽やかに操り、強盗たちの武器をはたき落とす。狙いを誤らないよう慎重に、腕や脚を攻撃し、彼らが反撃できないように封じていく。その場は徐々に静まっていき、強盗たちは顔を青ざめさせて後退した。

「これ以上やるつもりなら、相手になるが?」

低い声で威嚇し、相手の気勢をくじく。

馬車の中から、揺れるカーテン越しに誰かがこちらを見ているのを感じたが、その視線に安堵と驚きが混じっていることを悟り、俺はそっとその場を離れる準備を始めた。

別の一人が叫び声を上げたが、俺はそのまま勢いよく突進し、武装した男の手を多節棍を振るって強打し、持っていた剣をはたき落とす。

周囲が驚きに固まる中、俺は次々と襲撃者たちを押し返していった。



気づけば、残った強盗たちは散り散りに逃げ去り、馬車は無事に救われていた。周囲に一瞬の静けさが戻る中、馬車の扉がゆっくりと開かれ、中から一人の女性が現れた。

彼女は目を引くほどの美貌を持っていた。波打つ白金食プラチナブロンドの髪が光を受けて輝き、眼鏡の奥で輝くその瞳は澄んだ青色で、冷静さと知性を感じさせる。華やかなドレスは高貴な血筋を物語っており、その立ち居振る舞いからは品位が滲み出ていた。しかし、どこか気高さの裏に秘めた強さも感じられる。

いわゆる年増盛りの魅力という奴だ。

「助けていただいてありがとうございます。あなたは……?」

女性は鋭い眼差しをこちらに向けながら、穏やかな声で話しかけてきた。

俺は少し息を切らせながらも、気取らない調子で答えた。

「たまたま通りかかっただけです。お気になさらずに」

「それでも、このような危機に立ち向かうとは……」

彼女は言葉を続け、視線を鋭くしながらも感謝の色を含めていた。

「あなたは学園の新入生、アルヴィン・レオハルト・フォン・ヴィンターハルトではありませんか?」

「えっ……なんで俺の名前を……?」

驚きの声が口をつく。

「あなたのお父上、レオハルト様は、二年上の先輩でしたの」

彼女は優しい微笑みを浮かべ、視線を少し柔らかくした。どうやら実父に憬れに近い感状を抱いていたようだ。

そして少し疲れた様子を見せつつ答えた。

「本来ならこんな極秘事項をお話しするべきではないのですが……不思議とあなたには話しても良いような気がします」

彼女は一息つき、続けた。

「実は、本来なら学園に入学しないはずの第二王女が入学することになっています。

ご存じのように、継承権を持つ王族は、基本学園に通うことはありません。まあ、目的が目的ですからね。

王室では、通常は正妻の養子となる形で継承権を得るのですが、第二王女の外戚が権力闘争に敗れ養子になれなかったため、政治的な立場が変わっているのです」

俺は目を見開いたが、彼女の話はさらに続いた。

「それだけではありません。侯爵家とライバルとされる辺境伯のご養女も、今回の入学者に含まれています。彼女のことは、ご存じですよね」

俺が否とかぶりを振ると、彼女は生暖かいまなざしとともに微笑みながら「辺境伯とあなたが実は仲が良いということは、一部でしか知られていないため、表向きは緊張関係が続いていると誤解されたままなので……」と伝えてくる。

「また、王国管区の総主教からは、正式に『聖女』と称される女性神官の入学依頼があり、私がこの馬車に同乗していたのもそのためです」

(まさかそんな大事な人がこの馬車に……)

「そして、近衛騎士団からも正式に『小姓ペイジレオンハルト』の叙任申請が届いています。

加えて、七色の塔の『黄色の塔』から『アルヴィンを正式に弟子とする』認可書が届いています。

それだけでなく、画壇だけでなく音楽界を含む美術界から、あなたを特待生として迎え入れる申請が来ています」

俺は言葉を失った。まさかこれほどの政治的駆け引きが入学式に絡んでいるとは思わなかった。


彼女は深くため息をつき、「一つでも大事な話ですが、こうした話が一度に六件も重なり、そのうち四件があなたに関することなのです。あまりおおっぴらに議論できないため、護衛が少なかったのです」と説明した。

つまり、彼女はお忍びで出かける必要があったため、大規模な護衛を伴うことは避けざるを得なかった。そして、その隙を突かれたのだろう。

更に、最近、王室の警備強化の一環で新たな護衛を雇っていたのだが、その中に裏切り者が含まれていたらしい。

「ですが、いくら何でも護衛くらいは……」

彼女は苦笑いを浮かべ、「……まさか、雇った護衛が実は敵の仲間だったなんて、誰が予想できる?」と、悔しそうに言った。

「ああ……」

俺は呆然とした。

だが、こんな美しい女性、しかも王室に属し、権力も財力もある彼女を標的にするのだから、相手も相当計画を練り込んでいたのだろう。彼女の無力感が伝わってくる。

「最近雇った護衛が全員、内通者だったなんて……まったく認識が甘かったわ」と、彼女は目を伏せて小さな声で付け加えた。

さらに追い打ちをかけるように、馬車の御者も敵の仲間だったらしく、騒ぎが起きた瞬間に逃げ出していた。用意周到な襲撃に俺は改めて驚かされる。


(なるほど、これはただの偶然ではなく、明確な狙いがあった襲撃だな……)と、心の中で俺は鋭く状況を読み取っていた。

確かに杜撰な部分も見え隠れするが、明らかに個人を狙った犯行だ。

ただ……美人で権力と富があり知性も社会的地位も高いとなると、思い当たる節ばかりだ。


「もう出てきても大丈夫ですよ」

その言葉に応じて、少女が馬車から静かに降り立った。彼女は聖女候補の証である紋章の入った頭巾をかぶり、優雅に深々とお辞儀をしてから感謝の言葉を述べた。その所作からは、年齢が俺たちより少し上であることがうかがえた。彼女は修道女としての厳格な教育を受けてきたとはいえ貴族ではないため、控えめながらも堂々とした雰囲気が漂っている。

「先ほど学園長からは『聖女』と言われましたが、厳密には聖女候補です」

にこりと笑ったその顔には、見覚えがあった。

「……まさか、エリザ?」

俺が信じられないような気持ちで問いかけると、彼女はぱっと顔をほころばせ、うれしそうに頷いた。

「はい! レオハルト様に再びお会いできて光栄です」

その声には、隠しきれない喜びが滲んでいた。

学園長は誇らしげに話を続けた。

「今回、フィオーレさんとアルヴィン君が通う学園で、聖女教育の新たな試みを行うことが決まりました。

これは大主教が提案したもので、特に芸術の面から神学を探求するという取り組みです。そして、君の庭がその象徴となっていることを知っている聖職者たちも、君が通うのなら、切っ掛けとしてはちょうど良いと賛同しました。

そしてエリザさんは、この試みの先駆者として、真っ先に手を挙げて参加を希望してくれたのです。

……しかし、六件中五件でしたか……」

と学園長が一息ついて呟いた。

俺は心の中で、『ごめんなさい、ひょっとすると六件中六件かもしれません』と謝罪する。

エリザは微笑みながら話に加わった。

「学園で新しい教育を始めるなんて夢のようです。

レオハルト様の庭で神の真理を学んだことが、絶対生かされると信じています。

学園での勉強、誰よりも楽しみにしています」

彼女の大人びた落ち着いた表情とその言葉に、俺は内心で苦笑した。学園生活が予想以上に賑やかになりそうだ。

と同時に、襲撃の理由がまた一つ増加したことにも気づいた。

宗教がらみの派閥争いは、なにげに面倒くさいからなぁ……



馬車の救出劇が一段落し、理事長との短いやり取りを終えた直後、遠くから一団の足音と馬の蹄の音が急速に近づいてくるのが聞こえた。俺は一瞬身構えたが、それが援軍の到着だと気づき、すぐに警戒を解いた。学園長も同様に気づいたようで、その表情には緊張が緩む様子が見て取れた。

「援軍が到着したようですね」と俺は学園長とエリザに向かって笑顔を見せた。

エリザは安堵の息を漏らし、青い瞳が一瞬ゆらいだ。

砂埃を巻き上げながら到着したのは、アニスとリリスを率いる学園の実戦部隊だった。アニスが馬に乗りながら冷静な表情を浮かべ、鋭い目つきで周囲を見渡し、すぐに状況を把握した。

「もう片付いているとは……さすがだな、レオハルト」と、馬から下りながら彼は満足げにうなずいた。

アニスは学園で講師をしているとはいえ、かつて近衛師団に所属していたため、実戦の場で迅速な判断力と行動力を持つ数少ない人物の一人だ。その誇りが込められた眼差しがアルヴィンに向けられると、彼も思わず肩の力を抜いた。

リリスも俺の姿を確認すると、柔らかな笑みを浮かべながら馬を下りた。その笑顔には安堵と誇りが見えた。

「本当に驚かされるわ。これでまたあなたの評判が上がるでしょうね」と声をかけてくる。

アニスとリリスは学園長の前に進み出て、「遅くなり申し訳ありません」とそれぞれ騎士団と魔法兵団の礼を取った。学園長は、彼らに穏やかな笑みを向けながら「無事でよかった」と静かに言葉をかけ、目の端でアルヴィンに感謝のまなざしを送った。


そんな二人を見て安心するとともに、言葉を続けた。

「アニスはともかく、リリスまでなんで?」と俺が尋ねると、二人はなぜか息を合わせて口を開いた。

「「今日から師匠と呼べ!」」と、見事にハモる二人。


アニスが肩をすくめて言う。

「学園に入ったからには、卒業と同時に叙任は決まったようなものだ。だから今後は師匠と呼べ」

「何をわけのわからないこと言ってるの。アル君は入学と同時に黄色の塔に正式に弟子入りしたの。だから、今後は私を師匠と呼びなさい」とリリスも負けじと声を上げる。

二人が鋭い視線を交わし、にらみ合っているところで、学園長が戸惑いながらも口を挟んだ。

「それはさておき、アルヴィン君の言うように、アニスが近衛騎士団なのは知っていたけど、リリスまで乗馬して駆けつけるなんて……

もしかして、実戦経験があるのかしら?」

リリスは一瞬驚いたように学園長に目を向け、すぐに真剣な表情で答えた。

「はい、実は以前、魔法師団に所属していたことがあります。

アル君のおかげで黄色の塔も強化されましたが、もともと私たちは弱小派閥で、研究だけでは生き残れませんでした。だから私も魔法師団に派遣されて実戦の経験を積んできたんです。

こうした戦闘事態では一歩も引かず、必要があればすぐに駆けつける覚悟を持っています」

その言葉には、リリスのこれまでの努力と誇りがはっきりと感じられた。

学園長とエリザはその話を聞いて、ほっとしたようにお互いに視線を交わし、安堵の表情を浮かべた。

アニスもその話を聞いて小さくうなずき、俺がどれだけ学園にとって影響を与えているかを再認識したかのように微笑んだ。

「これからも期待しているぞ、レオハルト」とアニスが力強く激励してくる。


しかし、その後も二人の小競り合いは続いた。

「それはさておき、師匠と呼ばれるのは私だ」

「何を言ってるの?

師匠は私よ」

俺はその様子を見て、心の中で思わずため息をついた。

(ちょっと面倒くさいことになってきたな……)


しかし、賞賛の言葉を交わす間もなく、アニスが空を見上げて顔色を変えた。

「やばい、もう太陽があんな位置に。入学式が始まる時間だ!急ぐぞ!」と鋭い声で言うと、一団は再び慌ただしく動き出し、学園長を馬車に誘導した。馬の蹄の音と共に、隊列は急ぎ学園へと向かっていく。


その場に残ったエリザが、俺のゴーレム馬車の方へ近づいてきたのが見えた。俺は眉をひそめた。なぜ彼女がこちらに?と疑問を浮かべると、エリザは少し困ったような顔をし、俺を見上げて尋ねた。

「お嫌ですか?」

その一言に、少し戸惑った。理由を問いかけると、彼女は視線を落とし、小さな声で答えた。

「あまり大勢だと、不安なので……」と、再び上目遣いで「お嫌ですか?」と重ねて問う。

その仕草に、心の奥で何かが温まるような感覚が走った。

断る理由はなかった。

俺は軽くうなずき、彼女に少し笑って見せた。

「もちろん、大歓迎だよ」

彼女の顔が少し緩み、安心したように微笑んだ。

「アルヴィン様、私たちも急ぎましょう」

促す声は、ほっとした様子を含んでいる。ゴーレム馬車に共に乗り込むと、エリザは軽やかに俺の隣に腰を下ろした。


このゴーレム馬車は、四輪馬車と違い、御者席を兼ねたスペースの横に並んで座る仕様だ。小柄なエリザやリリスなら問題ないが、鍛え上げられたアニスが一緒だと狭く感じるだろう。そんなことを考えつつ、俺はふと先ほどのことを思い出した。


「そういえば、アニスがどうやって時間を確認したのか気になったんだ。懐中時計を持っているようには見えなかったけど」と問いかけると、エリザは少し身を寄せて、説明してくれた。

「魔方式の時計は大型なので学園や公共施設に設置されています。でも、個人用だと持ち運びには限界があるんです。特にこうした緊急時は、いちいち準備していては遅れるので、持たずに出発する事は多いですね。

それで、日中なら太陽の位置を見て時間を把握することが一般的なんです」と柔らかな声で教えてくれた。

「なるほどな」

俺は感心しながら頷いた。

魔法技術の奥深さには、いつもながら驚かされる。

「そういう仕組みか」と納得した俺の言葉に、エリザは小さく微笑んで応じた。

そして視線を前に戻し、ゴーレムの脚を動かす速度を少し速めた。


「でも、今日は特別ですね」とエリザがぽつりとつぶやいた。

「どうして?」

「フィオーレお姉様が講師として学園に赴任してから、神学の話はするんですが、それ以外のちょっとしたことを話すことって案外無くて。

それに……」

「それに?」

「最近、こうしてお話する機会がなかったので」と彼女の瞳は少し輝き、愛らしい笑みが浮かんでいた。

その笑顔に俺は少し照れながらも、「それは、俺も同じだよ」と返した。短い時間だったが、妙に穏やかな気持ちになり、馬車の中に静かな空気が漂った。


馬車の前面から俺は外に足を踏み出した。ケンタウロス型のゴーレムと馬車本体の間から降りる形式だ。

隣で笑顔を浮かべて座っている華やかな装いのエルザに手を差し出し、エスコートする。彼女は修道女から聖女候補になったばかりにも関わらず、その気品は中産階級出身ということを感じさせない。周囲の視線が俺たちに集中しているのを感じた。

馬車から降りた瞬間、リヴィアの目が鋭く俺を捉えた。そして彼女の視線が隣に座るエルザに移り、ほんの一瞬だけ眉がひそまったのを見逃さなかった。

「アルヴィン、遅れてきたかと思ったら、随分と優雅な登場ね」と冷たい声で言った。その声は地獄から響くように聞こえた。

俺は引きつった笑みを浮かべて、頭をかく。

「ごめん、ちょっと道に迷ってしまってね。でもエルザが助けてくれたおかげで間に合ったんだ」と説明すると、リヴィアの表情は複雑なまま、ただ軽く頷いた。

ちょっと頬を膨らせたセレーナもそのやりとりを見守っていたが、言葉を発することなく視線だけで何かを伝えようとしているようだった。

エルザがそんな場面で少しおずおずと微笑むと、リヴィアは一瞬困惑したような顔を見せた後、顔をそむけた。


その時、学園長の朗らかな笑い声が広場に響き渡った。「お互いを思いやる心を持っているのは、とても素晴らしいことですね」と言いながら、彼は穏やかな視線で会場を見渡した。その言葉は温かく、俺たちの間に漂っていた緊張をほんの少し和らげた。

「入園式は……さすがに今日は難しいですね」と学園長は小さくつぶやくように言った。

その言葉に、講師陣の一人ひとりが頷く。

中でも教頭らしき人物が一歩前に出て、「延期するほかありません。しかし、新人教育オリエンテーションの日程を変更するのは……」と悩ましげに言葉を続けた。

学園長は軽く頷き、「確かに、オリエンテーションの重要性も理解しています。それでは、正式な入園式は後日執り行うことにし、今日はこの場で簡単な入園の儀だけ行いましょう」と宣言した。

その一言で、広場の空気は再び引き締まった。


学園長は入園を祝う言葉を述べ、今後の学園生活において勉学と努力を惜しまぬよう、全員を激励した。その一言一言が、未来への期待と揺るぎない信頼を感じさせるものだった。


俺はリヴィアの横顔をそっと盗み見て、内心ほっとしながらも一抹の申し訳なさが心をよぎった。エルザがこちらを向き、柔らかな微笑みを浮かべているのが見えた。その笑顔は、俺たちの間に漂っていた微妙な空気を穏やかに和らげようとしているようだった。リヴィアもその視線を感じたのか、少しだけ表情を緩めたように見えた。

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