第97話

その聞き覚えのある声が耳元に聞こえ 、思わず帆夏の身体が反応しビクッとなる 。



今は会いたくも話す事も何も無いと思った帆夏は

ブランコの席から立ち上がって逃げようとしたが

その行動は時既に遅しそのものだった 。




「 ぜってえ逃がさねえから 」



その台詞に帆夏の心臓がドクンと脈打つ 。

何故ならそんな台詞が後ろから抱き締められている中で聞こえたからである 。



目の前に居る帆夏にそんな台詞を吐いたのは夏樹だ 。

夏樹は探している途中である事にふと気が付いた 。

それは昔帆夏と良く遊んだ場所に彼女は居るのではと 。



そして案の定来てみれば彼女の姿はあった 。

彼女の姿を視界に捉えた瞬間夏樹の足は動いて 、

気が付けば後ろから抱き締めていたのだ 。

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