第98話

数分が経って二人の間に静かな沈黙が流れる 。

その沈黙を先に切ったのは帆夏だった 。




「 ちょ … 何 、夏樹 」




と帆夏はブランコに腰掛けたままの状態で夏樹の方を振り向こうとはせず声だけを出した 。




「 何って分かんない ? 」




「 … ッ !! 分かる !! 離してよ … 、 」




「 絶対嫌だ 」



「 意味分かんないよ !! 」




「 じゃあこうすれば分かる ? 」




「 … え … ? 」




再び声だけを出したその時だった 。帆夏は突然夏樹の手によって顔の向きを変えられ一気に距離が近くなる 。

その距離は今にもお互いの唇が触れそうな距離に 。

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