第95話

もうこれ以上言う事は無いと思ったのか 、夏樹はスッキリしたかのように身体の向きを変え景色を見ていた 。



そんな夏樹に対し 、千隼は思わず笑ってしまう 。



「 ふ 、やっと言ったな 」



「 てんめぇ … 、」



「俺 別に なにも 思ってる事吐けとか一言も言ってねえのにお前が全部言い放ったんだよ 、勝手にな 」



「 正直 、帆夏にキスした事は許さねえけど 、お前黙って聞いてたからこれでチャラにしてやる 」



「 そりゃ 、 どーも 」



そう千隼が言うと 、夏樹は再び彼の襟を掴めば 、



「 仲良くするなとは言わねえ 。但し 、アイツにはぜってえ指一本触れんじゃねえぞ 、良いな ? 」



「 あーもう分かったっつの 、煩せえなあ 」



「 いっちいち腹立つ奴だな 。まあいいや 、お前名前は ?」



「 桐谷千隼 、」




「 ふーん 、俺は 星野夏樹 、だ 」




「 あっそ 、どうでもいい 」




「 てめえとことん腹立つ野郎だな 」




「 そういうお前は顔に似合わず口悪いな 」




「 誰の所為だと思ってんだよ !! 」




「 まさか俺とか言わないよね ? 」




「 あーーーだりい 、もういい 。またな 、桐谷 」




「 ふ 、 ああ 、星野 」

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