第88話

帆夏が走り去ってった後 、夏樹はもう東雲冬馬には何も話さず 、東雲冬馬も何も言えなくなり夏樹は正面玄関へ、東雲冬馬は校門へと向かった 。



あの場から逃げるように走って来た帆夏はというと

教室ではなく 、お昼休み以外は使用禁止とされている

屋上へと来ていた 、それも無断で 。



「 … アイツ本当何考えてんの … ?

昔の夏樹はどこに行ったのよ … 」



そう一人フェンスにおっかかってボソボソと

呟いていると聞き覚えのない声が耳に入った 。



「 独り言なら違う場所で言ってくんない ? 」



その言葉に帆夏は身体を向ける 。

そこに居たのは帆夏と同じ体勢でフェンスにおっかかっていた男の子だった 。

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