第83話

ここ最近の夏樹の帆夏の扱い方は 幼馴染みとはいえ

まるで彼女扱いしてるかのようだった 。



接し方も昔とは違っている 。触れ方がまず違う 。

何と言うかまるで宝物を扱うようなそんな感じだ 。



夏樹自身もう元カノである美鈴への想いは完全に

消し去っている 。そもそも2人は完全には付き合っては居なかったのだ 。2人はある理由で付き合っているという契約を交わしただけだったのだ 。



一方の帆夏はというと 、中学時クラス担任だった棗先生への想いは夏樹から告げられた真実を聞いた時今までの事全てを記憶から消し去ると決めた時に一緒に消し去った 。だからもう未練などあるわけがない 。




2人の初期の恋愛はとっくに終わっている 。

夏樹は美鈴に別れを告げ 、新たな恋に走ろうとはせず 、ただの幼馴染みとしか見てなかった帆夏を好きになった。その一方で帆夏はまだ恋愛の事は考えてもいなかった 。色々あり過ぎて考えてる暇すら彼女にはなかった 。



夏樹が帆夏を見る目が変わったように 、

帆夏も夏樹を見る目が変わっていた 。

思う事も昔と全然違っている 。

帆夏から見た夏樹は身体付きは昔と全然違うのは

当然だが 、声だっていつも当たり前のように聞いていたのに全然違う人が話してるように聞こえるし 、

顔だって昔より大人っぽくなって可愛いというよりは

カッコ良くなり全体的に凛々しくなった気がする 。

だからかどう接して良いか分からなくなるし 、

動揺が収まらずに爆発しそうにもなるんだと思う 。



帆夏はここ最近何だか様子がおかしい 。

それは夏樹もとっくに気付いている 。

だからこそ意地悪したりからかったり

突然抱き締めたり近付いたりしている 。

帆夏は夏樹を見るとどうも身体が無意識に反応して

それと同時に心臓がトクンと脈打つ 。



ただこの時帆夏はまだ気付いていない 。

自分も夏樹の事をただの幼馴染みとして

見れなくなってきている事を 。

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