第77話
「 それでオレが言った事だけど 、 あ ー 思い返すと
すっげえ恥ずかしいけど聞いてて 。 」
「 帆夏の事はオレに任せて下さい 。
オレがこの手で必ずあいつを幸せにしてみせます 。
口だけなんで信じ難いかもしれないっすけど 、
オレ あいつの事をすげえ大切に思ってる気持ちは
あいつの事が好きだって気持ちは他の誰よりも
負けないって思ってます 。沙織さん 、帆夏を 、
あいつの未来をこのオレに全部くれませんか ?
… って言った 。 ああ ~ … すっげぇ恥ずい 。 」
そう言った夏樹は恥ずかしさのあまり紅く染まった頬を見られぬようにするためか両手で自分の顔を覆う 。
そんな彼が愛おしく感じたのか帆夏は
夏樹の腰に自分の両腕を廻して抱き着いた 。
帆夏の行動に夏樹は思わず目を見開き目を泳がせるが
自分も彼女の腰に両腕を廻し抱き締めた 。
その時 帆夏は 〝 ありがとう … 夏樹 … 〟
と彼の耳元に聞こえるよう精一杯の思いで届ける 。
帆夏にはこれが限界だった 。精一杯抑えて結果がこれ 。
本当はきっと言いたい事沢山ある 。けれど今ここで発したらきっと目の前に居る彼に八つ当たりしかねない 。八つ当たりじゃ済まないかも知れない 。下手したら暴力振ってしまうなんて事も有り得なくはない 。
帆夏はその話を聞いた後自分の中で幾つか疑問点が
多くあってそれを夏樹に問おうとしていた 。
しかし彼女はそれを実行に移そうとはせず 、
彼の優しさに甘える事を選んだ 。
それは 本当の真実 を彼が帆夏に話す前に言った
〝 変わったお前に戻れるから 〟 と言った台詞 。
夏樹のあの言葉が話を聞いて 、
今にも荒れ狂いそうになっていた帆夏を変えたのだ 。
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