第78話

帆夏はそう言ってくれた彼の言葉を信じると決め 、

目の前に居る夏樹の腰に自分の両腕を廻し抱き着いた 。




気付けば帆夏は夏樹の腕の中で泣いていた 。

夏樹にとって帆夏の泣く姿は新鮮だった 。

一方で帆夏の夏樹に抱き着く力は益々強まっていた 。

そんな帆夏に夏樹も負けじと先程よりも一層強い力で

彼女を優しく包み込むように抱き締める 。




季節は冬が終わり 、

高校生初めての春が訪れようとしていた 。

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