第59話

「 … ! … 東雲先輩 っ … 。 」




声のした方に目を向けると 、

そこには 東雲冬馬 の姿があった 。




「 … 何で先輩がここに居るんですか … 。 」




「偶然通り掛かったらならば 、

見覚えのある奴がうずくまって居たから 。 」




「 … そうなんですか … 。 」




「 なあ 、 三原 、 今から言う事良く聞けよ ?

俺の憶測だが 、あいつはお前の事を

自分自身の婚約者と似せて見てる気がする 。 」




「 … え … ? … 似せて … ? 」




「 あぁ 。 俺はあいつの婚約者1回しか見た事ねーから

あんまし説明出来ねーけど 、お前と似てる気はする 。 」




「 … 私とですか … ? 」




「 あぁ 。これも俺の個人的な憶測だが 、

多分声とお前の姿そのものだと俺は思ってる 。 」




「 あの 、その婚約者さんって本当に

この学校に存在している人なんですか … ? 」




「 あぁ 、してるさ 。今は俺らの学年担当だ 。

因みに三原 、お前その人の名前知りたいか ? 」





「 教えて下さるんですか … ? 」




「 お前がどうしても知りたいというのなら

教えてやってもいい 。 どうする ? 」




「 …… 、 教えて下さい 、東雲先輩 。 」




「 分かった 。 最後に聞くが本当にいいんだな ? 」




「 … 大丈夫です 。教えて下さい 。 」




「 三原沙織 だよ 。 」

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