第51話
翌日 。
普段なら最低でも6時半には起きて 、
洗面所で顔を洗って 、身支度を整え終わった所で 、
居間で朝食を済ませる 。 という流れなのだが 、
今日はなんだか行く気分になれず 、
昨日のままの状態から朝を迎えた 。
一方居間では 、夏樹は朝食を食べ 、
母 綾子はいつも通り夏樹と帆夏の弁当を作っていた 。
テーブルには既に帆夏の分の朝食もあるのだが 、
肝心の本人が居間に現れないため冷め始めている 。
帆夏の様子が気になったのか夏樹が 、
「帆夏ちゃん 、なかなか降りて来ないね 。 」
「ええ 。帆夏ちゃん学校行かないつもりなのかな ? 」
「オレ 、様子見てくるよ 。 」
「ええ 。 」
私は居間でそんな会話をしているなんて知らずに
未だに布団の中から出ずにいた 。
「帆夏ちゃん 、どうしたの ? まだ具合悪いの ? 」
ノック音の後に 、夏樹の心配そうな声が聞こえてきた。
何でだろう … 、昨日の事はもう昨日で終わっているというのに昨日の事が頭をよぎって動こうとは思えない 。
返事しなきゃ とは思ってても言葉が出て来ない 。
「帆夏ちゃん ?入るよ ? 」
その問いに私は下まで響くくらいの大声で
『入って来ないで!!』
と布団の中から叫んだ 。
______ やばい … やってしまった …
叫んだ後そう自分の口を両手で抑えた 。
その後夏樹からの返事は無かった 。
ベッドから出て 、
扉を開けるともうそこには
夏樹の姿は無かった 。
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