第47話
でも今の私は 、目の前に居る彼女の知っている
一緒に過ごして来た私ではない 。
自分自身を変えた事を彼女に話すべきか 、
真実を打ち明けるべきか 。
離れ離れになって 〝 親友 〟 という存在から
掛け離れてしまった今話すべきなのか 。
これらが私の頭をよぎった 。
何度も何度も自分に言い聞かせた上で
決断した事 … それは … 、話すべきだ ということ 。
「あのね 、美鈴ちゃん 。
今から言う事は全部事実だから良く聞いててね ?」
「…え…?…あ 、うん … 。」
「今 美鈴ちゃんの目の前に居る私は 、
もう美鈴ちゃんの知ってる私じゃないんだって
事が一つと 、もう一つは … ______ 」
続きを話そうとしたその時だった 。
突然黙って聞いていた美鈴が距離を一気に縮めるかのように私に近付いてきたあと 、私の両肩に手を置き 、
「…私の知ってる帆夏ちゃんじゃないって
一体どういう事…?何を言ってるの?帆夏ちゃん。」
「…だからそのまんまの意味だよ。
私ね 、もう前の苗字じゃないんだ 。」
「…じゃあ…誰なの…?」
「…星野帆夏…。この名前こそが今の私 。」
「…え…? 〝 星野 〟 って…まさか夏樹くんの… 」
「うん、そうだよ 。
私 今ね 、夏樹くんの元で暮らしてるんだよ 。」
そう言った瞬間 、私の両肩に置かれていた
美鈴の両手が震えているのを感じた 。
「私ね 、もう家族居ないんだ 。
自分を育ててくれた両親も 、実の兄も姉も 。
両親は事故で死んじゃって 、兄と姉には捨てられたの」
兄と姉のことに関しては 、 兄は 〝 捨ててない 〟と
私に言っていたが 、私を置いて行ってどこかで暮らす
という事は捨ててるも同然だと私は思う 。
「……。」
「こんな話してごめんね ?隠さずきちんと
話すべきかなって思って 。美鈴ちゃんは 、
私にとって大切で大事な親友だからさ 。 」
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