第43話
言い訳するつもりではないけれど 、
環の言う通り早退して来たことは事実だ 。
けれども 、あの理由を話したら 、
環の事だからすぐ沙織に報告するに決まっている 。
あ…でも 、もうお母さんは居ないんだった… 。
でも … 、 兄の事だから例えお母さんが居なくたって 、
仏壇に向かって報告とかしてもおかしくない 。
そう分かっているからこそ 、 私は 、
「あー…、早退って言うか、学校が早く終わったんだ。
だから帰りが早いんだよ 。」
そう言って敢えて嘘をついた 。
しかし 、こんな嘘通るはずがなかった 。
「は…?なら聞くけど、なんでお前の後に友梨夏帰って来ないんだよ?おかしいだろ」
「遊びにでも行ってるんじゃないの。」
「お前謝るなら今だぞ。今謝れば母さんには言わねー。
だけど、お前がどうしてもそのデタラメな嘘突き通すってんなら母さんに言っとくからな。あ、そうそう。
俺 1度自分が言った事は有言実行する奴だから。
じゃ、俺ちょっと出掛けてくるわ 。留守頼んだぞ 。」
私は、それだけは勘弁と思い、
意を決して大声で叫んだ 。
「しょうがないじゃん!!!先生にっ…担任の先生に
恋心覚えちゃったんだからっ..!!!!」
そう叫んだ瞬間何度も何度も心の中で
〝穴があったら入りたい〟と思った 。
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