第38話

「…はぁっ…っはぁっ…!!!」

荒れた呼吸を吐きながらも、

帆夏は猛スピードで学園中を駆け抜ける 。



しばらく走り回って、ある場所に着いた 。

そこは、保健室だった 。



ここなら、きっと誰も居ないはず ______ 。



そう思った帆夏は、ノックもせずに強引に扉を開けば

ズカズカと中へ入り、側にあったベッドにダイブした。



ダイブしたままの体型を、仰向けの状態の体型に変え、

しばらく天井をただただ見詰めた 。



段々呼吸が落ち着いてきた所で一度ベッドから身体を起こして、ベッドから降り、窓の外の景色を眺め始めた。



すると、保健室の扉の方から、扉が開く音が聞こえた。



「やばい!!」と思った帆夏は、

すぐさまベッドに戻るも、既に遅かった 。



「…三原…、やっと探したぞ。」



その声を聞いた次の瞬間の事だった 。



『トクン…トクン…』



「…え…?私…今何で鼓動がドキドキ言ってんの…?」



帆夏の鼓動は、〝トクン…トクン…〟と脈打っていた 。



まだ今朝初めて会ったばかりの人の声を聞いただけで

何故こんなにも脈打っているの … 。



帆夏は、布団の中で自分の心臓に

手を当てながらそう言い聞かせた。



それが何なのか帆夏にはまだ分からなかった。

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