第39話

「おい、三原、お前は一体ここで何してるんだ。

授業にもまともに出ないで。何か理由でもあるのか?」



その質問に帆夏は応答しようとはしない。



何故なら、今 その人の顔を見たくないから 。



帆夏は、布団を掴んだまま、口を開こうとはしない。



ただただ布団の中に篭っているだけ。



次の瞬間だった ___________ 。



〝バサァッ〟とその人によって

掛けていた布団が剥がされ、帆夏の身が露になる。



「……!?!?!?」



帆夏は、声を出そうとしたが、出すにも出せなかった 。



「三原、おいで?教室へ行こう。」



「……っ……。」



帆夏は、その誘いに何の返事もせず、

ただ黙ったままでそこから動こうとはしない 。



「オマエ、まさかクラスの人達が怖いのか?」



「…!!そんな訳ない!!あなたのせいだよ!!」



そう言い返した時、ハッと我に帰る 。



「え?俺のせいなのか?」



その人は初めて帆夏の前で、自分の事を、

〝僕〟ではなく、〝俺〟と言った 。



「……。」



帆夏は下を向いてただただ黙る事しか出来ない 。



「…三原、俺のせいって言ったか?

何で俺のせいなのか答えてくれるか?」



「…っ…!…言えません…。」



そういって、ベッドから降りた帆夏は、

置いておいた鞄を持ち、内履きを履き、

俊足でその場から立ち去る 。




「私何やってんの…。何やってんのよ!」



と、自分の心に言い聞かせながら

再びただただ廊下を猛スピードで駆けて行った 。

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