第39話
「おい、三原、お前は一体ここで何してるんだ。
授業にもまともに出ないで。何か理由でもあるのか?」
その質問に帆夏は応答しようとはしない。
何故なら、今 その人の顔を見たくないから 。
帆夏は、布団を掴んだまま、口を開こうとはしない。
ただただ布団の中に篭っているだけ。
次の瞬間だった ___________ 。
〝バサァッ〟とその人によって
掛けていた布団が剥がされ、帆夏の身が露になる。
「……!?!?!?」
帆夏は、声を出そうとしたが、出すにも出せなかった 。
「三原、おいで?教室へ行こう。」
「……っ……。」
帆夏は、その誘いに何の返事もせず、
ただ黙ったままでそこから動こうとはしない 。
「オマエ、まさかクラスの人達が怖いのか?」
「…!!そんな訳ない!!あなたのせいだよ!!」
そう言い返した時、ハッと我に帰る 。
「え?俺のせいなのか?」
その人は初めて帆夏の前で、自分の事を、
〝僕〟ではなく、〝俺〟と言った 。
「……。」
帆夏は下を向いてただただ黙る事しか出来ない 。
「…三原、俺のせいって言ったか?
何で俺のせいなのか答えてくれるか?」
「…っ…!…言えません…。」
そういって、ベッドから降りた帆夏は、
置いておいた鞄を持ち、内履きを履き、
俊足でその場から立ち去る 。
「私何やってんの…。何やってんのよ!」
と、自分の心に言い聞かせながら
再びただただ廊下を猛スピードで駆けて行った 。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます