第27話
あれからしばらく経って、環は恋人と同居して過ごしていくと言い出し、家を出て、姉の友梨夏は耐えられなくなったのか一人暮らしを始めると言い出し、弟の拓海は環が責任を持って相手の人にお願いをして一緒に過ごす事に決め着いて行ったため私はついに孤独になっていた 。
ただ途方に暮れるばかり 。家に帰ってももうあの声は
聞こえて来ない。あの2人の優しい声は、もう … 。
そう思えば思う程家に帰る事が億劫になっていた 。
でも家以外に帰る場所なんかどこにもない 。
環の元に行こうたって場所が分からないし 、
友梨夏の元に行こうたってどこで一人暮らししてるのか知らない 。そう 、私は2人に捨てられたのだ 。
それも両親じゃなくて兄と姉に 。
尊敬してた、信頼してた、大好きだった2人に … 。
ある日の放課後 私は一人ずっと教室に居た 。
帰りたくなんかない 。 だって1人だから 。
あの家に帰ると嫌な事全て思い返してしまうから 。
両親の事だって 、 兄と姉の事だって 。
忘れたいのに忘れられなくなるから
帰りたくなんかなかった 。 2度と 。
その時だった 。全てを忘れさせてって願った人物 。
「やっぱりここに居たんだね…、帆夏ちゃん。」
そう息を切らせて現れたのは、
どんな時もずっと傍に隣に居てくれて、
他の誰よりも距離が近い存在で、
私にとって世界一大切な幼馴染み 。
「…夏樹くん…。」
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