第25話
あの時の私にはまだ分からなかった 。
事故という意味は何となくは分かっていたが、
両親が帰らぬ人となると言う事だけは予想もしてなかった 。そもそも人間はいつかは死んでしまうものだと
心の中では分かっていた事だったけどこんなにも早く
訪れるなんて思ってもいなかった 。
私が本当にその衝撃的な事実を知ったのは、
その事実がやっと分かったのは 、小学5年生 。
新井先生から聞かされた時、1年生だった私は、
聞かされても感情表現が出来ず、ただただその事を
聞き流す事しか出来なかった 。
家に戻った時も、何とも思わなかった 。
心の中で〝きっといつも通り笑顔でただいまって
帰って来る〟そう思ってた 。
それから何年か過ぎて、色々な事が把握出来るように理解出来るようになった小学5年生の時、自分に初めての感情が芽生えた 。
〝パパとママが帰って来ない…それもずっと〟
こんな感情初めてだった 。今までは、ただ寂しく思うだけでそれ以外は何とも思わなかった 。
その事実を教えてくれたのは、環だった 。
姉の友梨夏に聞こうとしたが、聞く度に
『アンタ小さかったから知らないだろうけど、
はっきり言って無神経!何でそんな事聞けるの!?
信じらんない!この状況見て分かるでしょ!?」
と怒鳴られていた 。そんな時、環が私を呼んで、
2人の身に何があったか教えてくれた 。
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