第20話

バスの中は、騒がしかった 。

お菓子を周りの子達と分け合いながら食べてる子達も

居たが、ほとんどの人はおしゃべりをしていた 。


帆夏は、隣に座ってる美鈴と、後ろに座ってる夏樹と

筧くんとおしゃべりをしていた 。


会話は至って普通の会話 。


「ねね帆夏ちゃん、楽しみだねっ!」


「うんっ!すっごく楽しみっ!」



この時は、凄く楽しいものだと思っていた 。


それがまさかあんな事件が起きるなんて、


帆夏達はこれから起きる事をまだ知らないで居た 。


しばらく走らせて、一番前に座っていた新井先生が

席を立ち、バスの中の生徒に呼び掛けた 。


「はい、楽しんでる所ごめんね〜!もうすぐで目的地に着くから自分の荷物まとめておいてね〜!」


その声に、生徒達は一斉に声を揃えて、元気よく


『は〜い!!』


と返事をして各々自分の荷物をまとめ始めた 。


目的地に着き、バスから降りて、自分の荷物を持って、

2日間お世話になる建物の中へと移動する 。


建物の中に入り、ホールに全員が集合し、再び新井先生が話し始める 。


『それじゃ、これから今夜泊まるお部屋に行ってもらうんだけど、皆メンバー覚えてるね?』


帆夏は、美鈴と夏樹と筧くんと共に2日間自分達がお世話になる部屋へと向かった 。


途中初めての旅館で、道に迷いそうになった 。


「あれ…ここどこ…?」


帆夏達は、自分達の部屋を目指していたはずだったのだが、何故か辿り着いたのは、まるで別世界に来てしまったかのような空間だった 。

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