第19話

あれから4ヶ月が過ぎて、時は夏 。



夏休み真っ最中 。日にちは8月12日 。



8月12日と言えば、待ちに待ったお泊まり会 。



帆夏はこの日朝からテンションMAXだった 。



「〜♪ 〜♪ 〜♪ 」



朝から鼻歌を口ずさむ 。



そんな彼女の部屋に環が訪れた 。



「帆夏、入るぞ?」



「お兄ちゃん、今度はな〜に…」



「お前…、お兄ちゃんに対してな〜にはないだろ…」



「だって突然入って来るから〜」



「今日からお泊まり会なんだって?母さんから聞いた 。」



「そうだよっ!すっごく楽しみなんだ〜!」



「楽しみなのは分かるけど、迷子になったりすんなよ?帆夏迷子になりやすいんだから。」



「もぉ〜…お兄ちゃんは心配し過ぎだよぉ…。

ほのだってもう1年生だよ?迷子になんかならないもんねーーだっ!」



と目の下に指を置けば、舌を出してそう言い返す 。



「はいはい。」



呆れたのか環はそう返した後、〝まあ 楽しんで来いよ 〟と残し、下へと降りて行った 。



朝ご飯を食べ終わった帆夏は、荷物をパパに預けてパパの車に乗り込んだ 。



運転は博己がして、助手席には沙織が同席した 。



学校に着き、帆夏は道具がたくさん入ったバッグを持ち、正面玄関へと向かう 。



何か言い忘れたのか踵を返す 。



「パパっ、ママっ!いってきま〜すっ!!」



と言って、再び正面玄関へと駆けて行った 。



そして集合場所である教室に着いた 。



『ガララ』



扉を開けるとそこには既にほとんどの生徒が各々バッグを置いて、着席していた 。



席に座ると、隣からいつも聞く声が聞こえて来た 。



「帆夏ちゃんおはよっ!」



「美鈴ちゃんおはよ〜っ!」



「帆夏ちゃんおはよっ!」



「夏樹くんおはよ〜っ!」



とそこへ、あの男の子もやって来た 。筧だ 。



「帆夏ちゃん…だよね?おはよっ!」



「筧くんおはよっ!」



そうしているうちに新井先生がやって来て 、



皆で専用のバスに乗り込んだ 。



そしてお泊まり会が始まった 。

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