第10話

家族全員でいつものように食卓を囲む 。



ただいつもと違うのは朝と同様静かな空気が漂っているだけ 。



何せ誰も話題を切り出そうとしないのだ 。



帆夏は話題を切り出そうとするが何を話していいか分からず結局黙り込んだまま口におかずを運ぶ 。



「ご馳走様。」



と環が最初に言い、食器を洗い場へ置いてすぐさま自分の部屋へと向かった 。



「…ご馳走様でした。」



と環に次いで友梨夏もそう言ってすぐさま自分の部屋へと向かった 。



「ご馳走様でしたっ!」



と帆夏は普段通り元気良くそう言って自分の食器を運ぶ 。



帆夏は自分の部屋には戻らず、居間に行き、弟の拓海の遊び相手をし始めた 。



弟の拓海の面倒を見るのは帆夏の担当 。



上2人は一切しない訳ではないが、2人共拓海の相手を何だかんだ理由を付けてしてくれないので仕方なく帆夏がしているのだ 。



時刻はあっという間に9時になった 。



「帆夏〜明日から学校なんだからもう寝なさい。」



「は〜い」



そう返事をして、帆夏は博己と沙織に向かって 、



「パパ、ママ、おやすみなさ〜い!」



と言った後自分の部屋へと向かった 。



自分の部屋へと着いた帆夏は、ベッドに入り



「明日から楽しみだなぁ〜」



と呟き、深い眠りに落ちた 。



明日から始まる学校生活に期待を胸に膨らませて 。

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