第8話
「そうだ。沙織、帆夏の入学記念に写真撮らないか?」
と博己がカメラを片手に言って来た 。
「そうしましょ。」
と笑顔で返すが、まだ人があまり居ない 。
誰かに撮って貰おうとしたその時だった 。
「…あれ?もしかして沙織さん?」
とたまたま目が合った女性がこちらに来てそう話し掛けて来た 。
「…え?もしかして綾子さん?」
沙織が口にした〝綾子さん〟という女性は、沙織の息子である環が小学生の時から仲良くして貰っている祐樹(ゆうき)の母親である事から良く夕ご飯を食べに行ったり時にはお買い物に一緒に行ったりと友好がある 。
「やだ、久し振り〜!もしかして隣に居るのは娘の帆夏ちゃん?」
「えぇ、そうよ。今日から小学一年生なの。」
「あら、偶然〜!実はね私の息子の祐樹の弟も今日から帆夏ちゃんと同じ小学一年生なのよ〜!」
「そうなの?」
「えぇ。改めて紹介するわね?この子が祐樹の弟の夏樹(なつき)よ。ほら、夏樹挨拶して?」
そう綾子に紹介された夏樹と呼ばれた帆夏と同じ黄色い帽子を頭に被り、背中に黒いランドセルを背負った男の子が帆夏と沙織の前に行き、挨拶をした 。
「初めまして!ボクは星野夏樹です。よろしくお願いします!」
「夏樹君久し振りね〜!私の事覚えてるかな?」
「…んー…分かんない!」
そんな夏樹に沙織は「そっか、そうよね〜はは。」と苦笑いをしながらも返した 。
「私も紹介するわね。環の妹の帆夏。ほら、帆夏も挨拶して?」
そう言われた帆夏は、恥ずかしがりながらも、綾子と夏樹の前に行き、
「初めましてっ!三原帆夏ですっ!よろしくお願いしますっ!」
「じゃあ、2人ともこれから同じ学校に通う事になるんだから握手でもしておこうかしらね。」
と綾子が言い、帆夏は頬を赤く染めながら、夏樹は満面の笑みを浮かべ、2人は握手を交わした 。
これが 三原帆夏 と 星野夏樹 の 出会いだった 。
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