第63話

何とか言いたかった事全て伝え終えた栞は

まるで緊張の瞬間を終えたかのように地面に

ペタンと座り込んだ。



「…………。」



一生懸命話す栞に対し、雅は話の最中

突っ込みたくて仕方なかったがどうにか

抑えて黙って聞いていた。



何も言って来ない雅に一気に不安が募り、

栞は慌てて地面から立ち上がり彼女へ近付く。



「……雅?」



「…はぁ。あのさ、”好きみたい”って何?

素直に好きって言いなさいよ!嫌でも

思い浮かべて、意識しまくり?そんなの

好き一択しかないのよ!」



「……っ!…ごめん、私が誰かに恋なんか

するなんて思わなかったから、真面目に。」



「てかずっと気付いてたよ。やっと言った。

後はアイツ、晴人の気持ち次第ね。」

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