第46話

「…わり。起こした?アラームセット

してた事すっかり忘れてたわ。」



そう言ってテーブルの上に置かれた自分

のスマホを手に取りアラームを解除する。



本当なら「ううん」とちゃんと声で返したい

所だが何にせ声が1ミリも出ない。

風邪引いてる訳でも無いのに。



晴人に伝わりますようにと言う気持ち

を込めて盛大に首を横に振る。



「…?何もしかしてお前声出ねーの?」



と聞かれ、また盛大に首を今度は縦に振る。

すると、「ははは!」と笑われる。



「やべー久々に笑った。あ、どこも痛く

ねーから気にすんなよ。ふはっ。」



内心ムカついてるはずなのに晴人の笑う顔

が見えた瞬間、無意識に私の目からは涙が

ポロポロと頬を伝って零れ落ちていた。

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