Piece 5 / 言えなかった事実

第45話

正直言って悔しいけどハルトの寝顔って

いつ見ても綺麗と言うか可愛さもあって

交換して欲しい位に羨ましい。



しばらく眺めていると突然大きな音が部屋

全体に響き渡る。その大きさに思わず上手く

動かせないはずの身体が反応し反射的に

飛び起きてしまう。



と同時に気持ち良さそうに眠っていた彼の

顔面に私の右腕が見事にヒットする。




「…痛ってぇ…。」




「_____!!!」




これはやってしまった。まずい。非常に。

謝りたいが何にせ声が出ない。どうしよう。




どうやら音の正体はテーブルに置かれた

ハルトのスマホからだった。



取り敢えず謝りたいが声が未だ戻って

いないのか上手く出せない。



だが何とかしてでも伝えたくてベッドから

足を降ろし、方向転換しようと足と身体を

動かそうと試みるもずっと寝たきり状態だった

為かいつもみたいに動いてはくれない。



んで持ってあたしの身体は無理矢理動かした

もんだから上手く換え切れずによろつき、

その反動で斜めに傾き床に倒れそうになる。




「_____!!」




やばい、倒れると思いぎゅっと目を瞑る。

__がふらつきでよろけ斜めに傾きそうに

なったあたしの身体はハルトのガッシリした

腕に寄って支えられ怪我は免れた。



身体は動かずとも心臓は正常なので

今度はトクンでは無くドクンと鳴る。



恥ずかしさの余り離れようとするも

依然まだ微かに鈍っている為動けず。



_____ハルトお願い聞かないで。

意識して反応した音に気付かれたくない。

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