第43話
意識飛ばしたあの瞬間から何時間か経ち、
重い瞼を渋々開けるとそこに映った景色は
慣れ親しんでいる風景とは遥かに違う。
「_____ッ?!?!」
身体はまだ鈍っているせいか上手く起こせない。だが、目の感覚だけは普段通りバッチリ開く。
その開いた目で辺りを一通り見渡す。
置いてある物、飾られている物はもちろん、
カーテン、カーペット等々一式明らかに
自分の部屋では無い事が確認出来る。
決定的な証拠を裏付けるモノが目に入る。
それは男の子である事を示すワックスと、
スプレー、アイロン、でっかい立てて使用する
タイプの鏡。という事は考えたくも無いが、
見知らぬ男の子の家に連れ去られたのか。
もし連れ去られたのが事実なら非常にまずい。
まだ身体の至る所に鈍りを残しつつも何とか自力で重い身体を起こそうとすると、自分の身体の上に''何か''が乗っかっている感覚を感じる。
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