第42話

もう何にぶつかったとか放っておいて何としてでもこの場を早々に去りたいのに余りの恐怖で固まってしまった身体は依然動かず。



叫ぼうにも声すらも出ない。だが身体全体強ばっているとは言えども限界は誰にでもある訳で、

とうとう堪え切れず膝から崩れ落ちるように

地面にペタリと座り込んでしまった。



座り込んでしまったが故にスマホの画面は伏せられ、画面の灯りは消え、再び真っ暗に。

片方の手に持っていた鞄は震える左腕から

滑り落ち行方所か音すらにも気付かない。



''もう終わった。連れ去られて監禁されるんだ''

そう思った。そう確信したのか私は電池が切れたロボットのようにフッと意識を飛ばした。



その後の事は何も覚えてなどいない。

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