* ー Side : 橘 遙人 ー *

第41話

 ‪


 ☆ここから少し遙人目線になります‪☆



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 俺 、橘 遙人は夢の中に居た。その夢の中である“誰か”を必死に懸命に探し、求め、彷徨っていた。



 でもその“誰か”が今の俺には分からない。名前は勿論、顔も声も全て ___ 。



  その正解こたえに一刻も早く辿り

  着きたいのに何も思い出せない。



 一生解けないこのナゾの中で生きるさまはまるで鳥籠に閉じ込められた一羽の鳥の様だ。



 何も思い出せないとは言えども、一時ひとときも忘れた事は無い1つの出来事。



 それは幼いながらに生きる術を失い、簡単には誰も入って来れない暗闇のドン底にいた俺を引き上げてくれた上に、生きる希望を与えてくれた女の子の存在だ。



 早く会いたい。会って、俺がずっと抱えたまま言えずにいる精一杯の気持ちを彼女に伝えたい。



 会ったら感動のあまり泣くかもな。人前で泣くとか恥ずかし過ぎて、今まで泣いた事なんて無いけどその子に会ってしまったら関係無い。



 そんな彼女の性格はサバサバしている上に、好き嫌いハッキリしているため男勝りなイメージを持たれがち。その性格故なのか、同性に嫌われやすい上に妬まれやすい。



 そんな彼女だが、周りにどう思われようが、何て言われようが、見えていようが、俺の気持ちは変わらず彼女だけが全てで、1番の存在。



 まぁ、こんな事恥ずかしくて直接なんて絶対に言ってやんないけど。



 そんな事は置いといて、早くもう一度俺に逢いに来てよ、キミなら来てくれる、見つけてくれるって信じてるから。



 ________________




「…ん、なんか懐かしい夢を見たな…。って俺は何して…、?!?!」



 長い長い夢から覚め、重い目を開けるとそこには数時間前、俺に向かって怒鳴り散らかしていた鳴海栞が自分のベッドで眠る姿が目の前にあった。



 自分が取った行動に驚く。と同時に気付いてしまう。自分が知りたいと願った、正解こたえがすぐ傍にあるということに。

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